
エニアグラムが教えてくれた本質
時を戻すこと25年。大学時代のお話です。いや〜年食った。
数少ない友達に引っ張られ、いわゆるゼミに所属したChagami。
担当教授は元ソニー人事部長の武田耕一先生。エニアグラムという診断ツールを駆使して人の本質に迫る。人事、チーム、コーチングに深い知見をお持ちで、著書も有るほどです。
今思えば武田先生は非常に実践的な活動内容をゼミで展開してくれており、プレゼンだったりリサーチだったり、人の本質だったり、チームの大切さや機能など、社会に出てから有効なことだらけ。
課題に対して根掘り葉掘り、とことんまで詰められるという経験も、社会に出る前に体感できます。笑
さて、それはそれとしてこの武田先生。自己分析の大切さと、その方法をしっかりと導いてくれました。
エニアグラムというのを簡単に言うと、100近くの診断項目を元に人のタイプを9つに分け、各特性がどんなことに喜びを感じるのか、どんな動機で行動するのか、そういった部分をきっかけとして与えてくれるツールです。
端的に言えば統計学なので、この結果自体に絶対はないですし、また結果を認識しただけだとあまり意味はありません。この結果を受けて、さらに分析をかけていく必要があります。そうして若干の自己暗示とともに、自分の道を作っていくわけです。
エニアグラム結果の活かし方や分析の仕方などは別途
にて、知見の許す限りで解説します。また、簡易的なエニアグラムリンクものっけてますので気になる方は是非。
話を戻します。まずはおさらい。9つのタイプ分けについて。

9つなのでざっくりですが、一通り見た感じ、「あ、自分はこれっぽいな」なんてのが有るはずです。
実際、自分も二択でした。2か6だろうなと。で、よくよく診断した結果、案の定2に落ち着くという、多少自分のことはわかっていたみたいです(笑
が。ここで出てきたタイプはこれから始まる自己分析のきっかけに過ぎません。
これを紐解いて自己の欲求を浮き彫りにしていくのがこのツールの課題です。その課題を乗り越えた先に、自分の特性を活かした生き方や仕事、人との付き合い方や相性などが見えてきます。
より自分を理解し、エニアグラムの言い分を参考にしながら自分の行動教科書を作っていきます。
ここからはエニアグラム学舎さんの公式で紹介されているものを一部抜粋させていただきながら。
助ける人の特性は、まずこう書かれています。
このタイプの人は、何か困っている人がいると、直ぐにその人のそばに行って手を貸そうとします。親切で、温かく、心細やかなので、困ったり悩んだりしている人には救いの手を差し伸べないではいられません。
日本エニアグラム学会様
心当たりがあります。小学校ではクラス委員や代表委員会など、誰もやりたがらないジョブが一定数存在します。クラス内の係とかもそうですが、とりわけ人気なのは生き物係とか放送委員、給食係や図書委員。
このあたりは人気で、熾烈なポジション争いが発生します。といっても熾烈なジャンケンですが。
で、です。同世代の方々はわかると思うのですが、帰れないんですよね。
そう、全部のジョブが決まるまで家に帰れないんです。こちとらちゃっちゃと帰って遊びたいんですゲームしたいんです。なのに帰れない。
「はい、クラス委員やりたい人手あげてください!」
シーンです。こんな状況で立候補制を採用する担任の恐ろしさ。出るわけ無いんです。「自らやらなきゃ意味がない」らしいです。これが帰りのホームルームで永遠続くわけです。
こんな時、結局挙手をするのは決まってChagami。皆よっぽどやりたくないんだなと、挙手。
「おー」となります。まわりからは今風で言えば、意識高い男に見えたことでしょう。でも本質は違います。
皆困ってるから自分やればいーしゃん。そう、ただの
自己犠牲
です。別にやりたくもなんともありません。
担任には「よく手上げたね、中々できるもんじゃないよ、すごい」と言われましたが、褒められる事はまんざらでも有りません。
もすこし大人だったら「やかましいわ」とか突っ込んでたかもしれないですけどね。笑
この自己犠牲も大きなスキルだと思っています。何故か。
この自己犠牲、賛否両論有ると思います。結局は自分のためだなんて言う人も居ます。でもそういう事じゃなくて。
自己犠牲の特性があれば、相手のことを考えるキャパが広がるんですね。
限り有る個人の思考キャパの中で、普通は自分:他人が50:50、場合によっては80:20くらいが必然かもしれませんが、これが20:80とかで運用できます。
スキル「自己犠牲」獲得。これが次のスキルに繋がります。
何時も、人を助けて上げたい、必要を満たして上げたいという気持ちで行動しています。しかし、相手がそれを必要としないと分かると落ち込み、自分の行為に対して感謝されないと怒ります。自分に良い感情をもって貰うために、自分の欲求や欲望は犠牲にして、他人の面倒を見ようとします。他の人に愛を注ぎ、その代償として自分を愛して貰おうとするのです。
日本エニアグラム学会様
“自分の行為に対して感謝されないと怒ります”
すごいですね、言い切ってます。
怒ることは無いんですが、やはり少し寂しさは残りますよね。おとなになった今はプロセスを加味して、感謝されるに値しないのであればそれはそれで必然と飲み込めます。
要するに、ベースとして人に手出しはするけど、その反面「求めてくださいよーたのんますよー寂しいからさー」ということなんです。
これは常に、例えば遊んでるときでもこれは常に感じていました。
ケイドロ、知ってますか?地域によってはドロケイかもしれません。警察側と泥棒側に分かれて行う鬼ごっこみたいなものですね。
商業施設をフィールドにしてつまみ出され、マンションでやってはガッツリ怒られ。良い思い出です。
これ、チーム決めする時に各リーダーがジャンケンをして、1人ずつメンバーを獲得していくスタイルでした。
当然、早々に選ばれたメンバーは”求められる人材”なわけです。この時求められる要素は足の速さ。子猿のようなChagamiはそこそこ俊敏で早々に抜擢されます。
今じゃ見る影も無いって噂ですが。
Chagami少年、これがまた嬉しくてたまらないわけです。よくぞ選んでくれた。損はさせねーぜ!というわけです。
このマインドは今でも消えて無くて、仕事の上でもそう。
自分を選んでくれたのならば期待値以上、100以上を返すべく考えます。
コレを達成するためにはまず、相手の立場にならなければ始まりません。
業務代行は頂いた仕事をどんなにスピーディーに正確にこなしても、所詮評価は100点が限界です。
120点、150点を取りに行くには相手と業務の本質と目的をできるだけ理解し、+アルファを付加しなければずっと一緒に居られません。
極端な話、替えが利いてしまうんです。
プライベートでもそうです。こいつじゃなきゃだめだって思われないと、必要とされないですよね。
そう考えた時に気付きがあったのは、エニアグラムタイプ2は、
“人の気持を先行して汲み取る”というスキルが一歩抜けている
ということです。
悪く言えば”人の顔色伺う”にも近いですが、これは活かしようで、上手く使えば武器になります。
自己犠牲の特性を持ってる場合、周囲より一歩突っ込んで、少し先を思考できます。
このタイプは1言われて10理解するタイプが多いらしく、部下にもってこいです。笑
昔から「感受性が高い」とか言われてた人は、このスキル保有してる可能性高いですよ😊
スキル「相手の立場」「深い思考」獲得。
心が通じ合うこと、コミュニケーションが上手くいくことが、人間関係でとても大切だと考えています。世の中のためになろうとする点では、他のタイプの人よりも個人的で、それを人と人との間でやろうとします。
日本エニアグラム学会様
これはそうですね、読んで字のごとくというか。簡単に言えば
“世界平和とかじゃなくて、目の前のあんたの幸せが大事だよ”
ということです。これも僕はずーっとそうです。
目に見えている範囲じゃないと実感がないというか、対象が不特定で大きすぎるとやる気がしません。笑
それもそのはず、「ありがとう」とか「愛される」とか、そういう見返りを求める本質だからです。
どっかの誰かさんだと見返りが期待できません。「ありがとう」をもらいたいくせに、まず「自分にとって大事な人にする」という明確な選別が働きます。
どっかの誰かさんが遠い空の向こうで「おお、ありがとう、誰かよ」と言ってても気付きませんし、特に実感ないので嬉しくもなんとも有りません。
よく見られるケースで
「おー。ありがとうって言っといて!」
みたいなシーンがありますが、それは自分で言ってくださいと思うわけです。
誰かに預ける「ありがとう」なんて、ほぼほぼ気持ちがこもってないも同然です。
こんな事書いてると嫌な人間だなとか、心狭いなとか思われちゃいますが、それならそれで良いかなと思ってます。
周りの人1人、満足させられなければ世界平和なんてもってのほかですしね。
つまり、狭く深く、全力を注ぐことができる特性という事です。
スキル「全力1on1」獲得。
というわけでして、こういった統計定義から自分の特性やスキルを明確にしていくわけです。
過去含め振り返り、武器を獲得していきます。これを1年以上やってたのでもっともっと有るんですが、大枠こんな感じです。
武器をまとめてみると、
- 自己犠牲
- 相手の立場
- 深い思考
- 全力1on1
たった1記事で4つも武器が見えました。こうしてみると、自分の行動動機が他人に依存していることが明白です。
しかも範囲が狭く、どっぷりです。
ということは、です。いろんな職業を見た時に、適正の高い職種が見えてきます。苦手な事も見えてくるので、回避すべき状況も見えてきます。
例えば今僕は社長ですが、従業員が10名超えたら多分、本領発揮できません。
大事にすべき従業員が自分にとっての「狭い範囲」を超えてしまい、疲弊して死んでしまうんじゃないでしょうか。
そうなった場合、もう社長職は誰かにお願いして2番手に引きます。これが会社にとっても自分にとってもベストです。
田舎のカフェのオーナー。これは向いているでしょう。日々顔見知りが訪れ、大事な人となり、継続的に共に人生を歩んでいけます。
おなじ理由で、新規営業よりもルート営業が向いてます。
動物園の職員。これも大事な人→大事な動物に上手いことパラダイムシフトができれば、ありでしょう。動物はありがとうを言いませんが、行動で示してくれます。懐く、ということですね。
一期一会も大切ですが、その先に継続性がある付き合いが己の力量の範囲でできる仕事。これが大前提になっているんだなと、気付きます。
こんな風に武器を持っていれば(持ってるだけでOKです)、何か判断を要する際の重要な指針となります。
軸を持て、ブレるなって世の中言ってますが、ある程度そういう意味に近いかも知れません。
こんな結果を有る種、
“自己暗示に近い形で自分に刷り込む”
これも有効じゃないかなと個人的には思ってます。
「思いは実現する」なんてよく言いますが、もちろん様々な努力あっての上です。ですがこれ、あながちおかしくもなくて、これが自分の軸だ!と思い込むことで判断や人生が安定します。
そんな人格形成も、悪くないなーなんて、思ってます。
いわずもがな、これらの特性は今も引き継がれています。
Chagamiはそんな人です。